公開日 2018年09月14日(Fri)
今年度指定されたSSH(スーパーサイエンスハイスクール)事業の一環として,九州大学大学院理学研究院教授の森田浩介先生をお招きし,講演をしていただきました。
森田先生は,原子番号113番目の新元素「ニホニウム」を発見するという,非常に大きな功績をお持ちの先生です。
先生は,講演の中で,
「10年間で数え切れないほどの実験を繰り返して,得られた元素はたったの3個でした。見つからない間はひたすら準備をして待っていることしかできません。しかし,元素を捕まえて新元素として認定されることが決まった時は,『キターーーーーーーー!』と大きな喜びを感じました。粘り強さとあきらめの悪さがないと成功しないものだと思います。『今日はだめでも明日はできるかもしれない』と信じて待つ覚悟が大切です。また,新元素発見には競争相手(アメリカとロシアの研究チーム)がいたので頑張れました。装置の開発など,大勢の関係者が協力してくれたからこそ発見できたのだと思っています。」
と,研究について熱心にお話をしてくださいました。
講演後に生徒から「高校のときに物理が好きになったきっかけは何ですか?」と質問され,森田先生は,「物体の運動法則から実際の天体の動きまで計算で説明できるというところが面白いと感じて,一生の仕事にしたいと思いました。」と答えておられました。
2年生の女子に感想を聞くと,「自分が想像しているよりはるかにすごい世界があるんだなと思いました。研究に対するものすごい熱意を森田先生から感じました。」と話してくれました。
森田先生は,今後は119番目や120番目の新元素を発見する研究を続けるそうです。今後のご活躍を期待します。
森田先生,お忙しいところを誠にありがとうございました。